流通コスト

2005年3月7日 お仕事
 サーバ3台分と開発ツール込みの見積提出。コンペとの価格差を確認する。

 既存システムのサーバリプレースなので、ミドルウェアの移行作業が発生する訳だが、こういう作業っていつも思うにあまりにも基準がない。
 1,2ヶ月くらいの期間が必要なシステム構築だとボリュームがあるからいいものの、作業的にはどう考えても1日で終わるだろうというような作業の固まりの場合、ほんとに苦労する。SIerの気持ちとしては、時間が短くなればなるほど、費用を低くしなくなるからだ。答えは簡単で、たとえ1時間で終わる作業でも、一日が8時間だからってそれを8案件スケジュールできるかと言えばできないからだ。
 だから、いきおいデータの移行だけで10万円、なんて見積もりが平気で出る。そのくらいの桁になると、交通費が発生するだけで価格が合わなくなり、当然拠点を近くに持つところが勝ったりする。地べたを這うような展開力を持つSIer/Venderがいる以上、その土俵で戦ってはいけない。

 拠点を持たず集約しているということは、裏を返せばロジでは常に輸送量が付きまとうということ。物流はいざ知らず、サービスではこの小額が命取りになったりする。

遅い!

2005年3月6日 お仕事
 「この会社では、3ヶ月が1年くらいに感じると思います。それくらい、動きの早い会社です。」

 ・・・なーに言ってんだよ。おせーよ。

 他に3社見てきた訳だけど、一番遅いですよこの会社が。最初は、USで最も成功してる会社だし、どんなに激しいんだろう?と構えてたけど、ぜんぜん遅いよ。こんなんで速いって言ってるんならたかが知れてる。
 あの日本企業ももっと速かったし、あの大企業でさえもっと速かった。会社が小規模のほうが小回りが効いてすばやく動ける、なんて幻想ですよ幻想。大企業でも仕組を整えモラールが高ければ迅速に動ける。小さくても無駄ばっかりでメールにばっかり頼ってたら遅くなる。

 企業組織の動きが遅くなる大きな原因のひとつは、知識が個人に蓄積され個人ディペンドになる仕組を温存していること。特に、現場のプレイヤーと管理者がイコールか、限りなく近い場合、管理者とプレイヤーが一組になって、自分たちの力を維持するため、知識を横展開しない。こうなると業務の非効率さ故に組織は縮小を始める。

競争とは何か

2005年2月15日
 レポートは、サマリーされて回覧される。それだけのためなら、メーリングリストにしたらどうなの。誰か一箇所に送信して、その人がサマリーレポート作って全員に送信するなんて、ほんとにIT企業のやることかい。そんなことに使ってる時間もったいないとは思わないのかい。

 事ほど左様に無駄なことが目につくこの会社。携帯代使用料高額者ランキングとか。そんなことする前に、定額制の利用を考えたらどうなの。ところがこの会社の発想は、「競わせて使用量を削減する」とこうなる。

 ああバカらしい。その競争はいったい何のための競争だ。すべての競争はお客様の利益のため、そしてお客様の利益の実現を通じて自分達が利益を得るためだ。携帯を使わないようにする競争になんの意味があるのか。まして、そんなことしなくても済むソリューションがあるのにだ。

 レポートも要はナレッジの共有ではなく、意味のない競争のためだ。競争を履き違えてる人間が多い。さてどこから手をつけてやろう。
 組織の未熟さがよく判る一件。とある関連部署から、週次レポートの提出を求められている。内容は、活動記録と、それぞれの活動について、その関連部門が作成した資料を使用したらチェックをつけよ、というもの。つまり、その関連部門は、自分達の資料の利用度を計測して、自部門の有用性をアピールしようとしている。

 これだけでも十分未熟さが判るというもので、だいたいサービスの提供者が受益者に対してあれこれ時間のかかる詳細なレポートを要求して、それで自分達の有用性をアピールしようなんてバカな話もない。自分達の有用性をアピールしたいなら、もっと簡便な方法を考え、レポート作成者の負担を軽くしなければならない。
 だいたい、IT企業がなんで資料をイントラからダウンロードするときに、そのページで採点できるようにしないんだ?

 その上、所属部門から同じような内容のレポートを上司に上げるようにとの指示があった。あれこれ管理したがるのは未熟な組織の象徴。だいたい、毎週定例でMTGやってるのにその上レポートを要求するのは管理者の能力不足。そのうえ、他部門で要求されているものと重複するレポートを要求するなんて、著しく業務時間を無駄にしている。
 外資系モーレツ営業会社らしく、営業ボーナスが割と頻繁に出るらしい。ボーナスというとピンと来ないか、「期末駆け込み!今週xx分販売した人には金一封!」みたいなそういうの。

 でもこれがおかしくって。四半期毎に成績を〆るんだけど、期末に近づくとその営業ボーナスが繰り返される。もし僕がちょっとできる営業だったら、絶対期末まで案件成約を取っとくよね。見えてるものがあったら。だって発注ベースで営業ボーナスが出るんだもん。とりあえず検収ベースである程度その期の数字が見えちゃったら、後はゆっくり発注の時期を調整するね。

 でもってやっぱりその弊害か、数字は最終週まで読めなくなってるし、駆け込み発注が響いて部品不足を起こしたり。この辺が幼い会社だなあと思う。どれだけリアルタイムにデイリーで数字が集計できて、今日はこれだけ必要というプランニングをして強制しようとしても、ボーナスの仕組みがあれじゃあプランも台無し。

 そういう特別ボーナスは、期中の第1月に成約したら大きく、その後だんだん小さくして、早期クローズを促すように使うのが適正なのだ。
 前職は相当な実力主義の会社で、強制参加の研修なんかも少なかった。自分で何を受け、どのスキルを磨いていくのかを自分でプランした。あの手法が成立しているのは、そもそも優秀なビジネスマンが多く入社してくるからだ。

 翻って今度のベンチャー企業は、ITの素養のない人間もたくさん転職してくる風土であり、ビジネスマンとしての素養も高くない人間がたくさん入ってくるから、勢い研修が凄く多い。「トレーニングはスキル獲得の10%程度でしかない」と、外部研修の受講を牽制するような内容を人事研修で振れておきながら、社内研修・社内資格のそれはもう細かいこと細かいこと。あれは官僚主義に近いものがある。ベンチャーがあれではまずいだろう。

 ベンチャーらしくスピードの速さを吹聴する割には非効率な業務の回し方が目に付く。スピードが速いのではなく、時間を無駄に使っているから忙しいと勘違いしてるだけなのではないだろうか。成長期の今まではそれでよかったかも知れないが、これから打ってでる分野ではそうはいかない。
と、いう訳で転職してしまいました。

ベンチャー企業というのは形振りよりも結果が最重要視されるけれど、ある程度の成長を遂げたベンチャーは、そのまま縮小の罠に陥らないよう更なる成長を志向する。

更なる成長のためには「お行儀のいい」会社になることが求められ、その結果それまでの成長を支えた「猛者」の扱いに困ることになる。

さあこの会社はどうするのかな?楽しみです。

官僚組織?

2004年10月31日
 「案を検討しませんか?」とミーティングを召集する目上が大っ嫌いだ。まず叩きを出してください。経験を積んでいるあなたから、まず叩きを出してください。叩きも何も出さず、案を持ってこいと指示を出し、その案をまとめて自分の案としてレポートする類の人間のなんと多い会社であることか。
 この会社のリーダーシップとは、創造性ではなくてドライビングにある。確かに大事なことではあるが。
 ハードビジネスなら、成約のためにサービスをサービスするのも手だろう。1週間や2週間の人月コストなんて、ハードの金額なら吸収できるだろう。ところがソフトはそうはいかない。そうはいかない単価の製品で商売している。ひとつひとつの案件にご丁寧に関わっている訳にはいかない。だからパートナービジネスを展開しているのに、ハードビジネスもソフトビジネスも展開している企業の営業というのは、ハードビジネスのやり方でしか物を考えられないから強烈に困る。パートナーに対して我々に手厚く支援しろ、という訳だ。その程度のライセンス収入でそんなことやらされてた日にゃあ、ノルマには絶対届かないっていうの。

 案の定、できもしないパートナーにやらせると言ってきかないし、やれないところはこっちにカバーさせるつもりだろう。こっちはコストの立たない部隊だから、なんでもかんでも回せばいいと思っている。
 そう言えば社内の大勢のサービスSEと会話する機会があったが、どいつもこいつも製品に関するコストリカバリーは製品部隊に押し付ければいいと思っているし、製品担当のSEはそれほど忙しくないと思い込んでいる。一度やってみりゃいいんだ。サービスのSEなんて、お金貰うところ決まっているだけなんと言っても楽な仕事だ。
 基本的に僕は愚痴が好きではない。言うのも言われるのもだ。

 さすがに血気盛んな20代ほどではないにしろ、愚痴を吐いて気を紛らわせるというやり方があまり好きなほうではない。納得できないことがあったらどうにかして解決を図る。解決方法が思いつかないときは、自分の理解や知識が足りないのか、度胸が足りないのか、あるいはそもそも納得できなかった自分の考え方に誤りがあったとする。そのときの憤懣やるかたなさを愚痴で解消するとういのはちょっと違うのだ。

 今身を置いている部署はとにかく上司に対する不満が激しい。人が集まれば常に上司の悪口を言っているようなところがある。僕自身もその上司の人間性を引き合いに出したら好き嫌いはあるけれど、上司の職務としてはああいうもんなんじゃないかと思うところはある。当然、部下としては嫌な仕事の回され方もあるが、そこはどう上司と渡り合うかにかかっている。

 それが出来ずにひたすら愚痴を言い続けるあの部署の雰囲気が最近の僕のストレスになっている。ようやく気づいた。

強者の論理

2004年9月21日
 また明日も井の中の蛙のサービスSEのお相手が2件も。ああ気が重い。二言目には「お客さんが困っているから」。それは自分の体たらくだろ!お客さん先に張り付いていてことがそこに至るまでわからなかったってのは、金になることしか目が向いてなかったからじゃないのか!

 とあるお客様先でのバージョンアップ作業案件。協力会社に見積もりを取ったけど、営業は案の定ウチのサービスを通すという。ウチのサービスなんて通したら、実際作業する協力会社はやりにくくなるだけに決まってる。なんにも出来ないスキルのないPMを押し付けられて。世間では普通こういうの天下りって言うんだよね。ちょっと違うけど。
 しかしこの案件はもともとウチが見つけてきた案件だから、ウチが利益乗せようが文句を言われる筋合いはない。なんとなく腑に落ちないところもあるが、これが商売の論理だ。くやしかったら自分の足で顧客開拓しろ。リレーションを持っている方が勝つのだ。

 それはともかく、自分の足で案件確認ができないサービスSE、なんとかしてほしい。
 社長。本気で改めて欲しいんですよ。サービスの人月見積と粗利乗せとリスク乗せ。

 協力会社様が実構築をすべて請け負い、ウチの人間はPMとして名前を貸すだけなのに、現場の営業はウチのサービスにしたら数字になるからというだけで、全部ウチのサービス契約にしてるんですよ。「ウチのPMがアサインされることでプロジェクト進行が円滑に進むようになっている」とか言うかも知れないけど、その選択をお客様に提示していないんですよ。協力会社様と直契約にするか、ウチとの契約にするか。お客様によっては、協力会社と懇意にしていてウチ挟むより円滑でしかも安くつくかも知れないじゃないですか。

 サービスだなんだ言って、結局細部には目が届かない訳ですね。エスカレーションされなきゃ。はは。エスカレーションだって!!ブラインド・オルガナイゼーション。

 この会社ではSEの社内レベルによって人月単価が決まっている。レベル1ならいくら、2ならいくら、という具合。その価格に構築期間をかけて人月費用を出す。

 そこに、社内で決められた粗利率をかけて、更にリスク率をかけて、提出価格にする。粗利率とリスク率は、交通費にもかかる。電車が止まったときってこと?プロジェクトメンバーの飲食費に消えるだけでしょ。

 ともかく、サービスの価格はおかしすぎる。なんでユーザもこんなおかしな価格体系を許してんだろう。結局、算定手法や基準を理解しようとせず、出てきた数字からいくら引けるか、という交渉しかできないからじゃないか。理論的に対応できないから、ベンダー側のドンブリ勘定にやられてしまうのでは。
 この会社で最も能力が低いのは製品担当の人間でもお客様どっぷりのSEでもない。サービスの営業だ。

 サービス部門の営業はほんとに情けない。業種別サービス部門の営業は、自分が担当してるお客様の組織やシステム構築ニーズは捉えているからまだ使える。でも特定サービスをセリングするミッションの部隊の営業はほんとに使えない。バカばっかりだ。

 自分が所属している部隊が提供するサービスの売り文句しか覚えてないから、自分が売るサービスの詳細も自分では話せないので技術をつれてくる。それはまあ製品担当でも似たようなものかも知れないけど、サービスの営業は、製品周辺の知識も薄いから、サービス提供のための関連製品の知識がまるっきりないのだ。
 おまけにお客のこともマーケットのことも知らないから商売が出来ない。結局、自分が知ってるキーワードをトリガーに人をかき集めて連れて行くことしかできない。

 人をかき集めて連れて行くことしか出来ない人種(職種)がこの会社には、顧客担当部門、製品担当部門、サービス担当部門にそれぞれ3部門に跨って重複して存在しているのだ!!

 そしてその人種が共通して決まって言うセリフ、それが「そのへんのところもまだ聞けていないんで、ヒアリングも兼ねて説明するということで」−そんな非効率な営業活動があるか!!オマエの手抜きのせいで失っている案件が他のところで一つあるってこと判ってるのか!!
 だいたいサービスSEというのは世間知らずだ。この業界では、お客様先に常駐しているサービスSEが最も世間を知っているように誤解されているが、彼らが知っているのは常駐先のお客様の事情であって世間ではない。非常に狭い凝り固まった世界での常識を世界の常識と思い込んで振りかざすきらいがある。おまけに「常駐SE」という世界での活動しか知らないから、それ以外のこの業界でのいろんな活動が想像もつかない。

 あんな井の中蛙SEがどうなろうが知ったこっちゃないけど、困るのはああいう連中の凝り固まった常識がデファクトになっていくこの業界の不幸。
 相も変わらず自分の立場が判っていないバカBPめ。

 自社の営業力のなさを棚に上げ、こちらから回してやっている案件の売上規模を最初からわざわざ削るようなことしか言わない。大体ツールの導入費用がツール価格よりべらぼうに高額ってどういうことだかわかってんのか?

 構築作業を請け負うBPは、提案全体の金額規模感が見えてくると、とたんにSW費用を削ってサービス費用に転用する動きを取ろうとし始める。そりゃまあそうしたいならそうすりゃいいけど。サービス費用しか入らないんだからサービス費用を積み増したい気持ちはもちろんわかる。けどそんなことしたら次から仕事回さないよ。わざわざ一本に絞ってやってるのに。

 挙句、「ウチからライセンス通してもらう訳にはいかないですかね」とか抜かしやがる。通す訳ないだろ!提案SWを取り下げるようなこという会社を。バカじゃないのか。ちょっとこの先痛い目にあわせてやるからな。覚えとけ。

 構築を請け負えるBPは重用してきたけど、この種のBPはウチと同じくサービス要員の稼働率を指標にしているので、仕事があればSWを売ろうとはしない。だから「今期は要員埋まっているので特にいいです」的なことを平気で言う。「でも来期は空いてるのでよろしく」みたいなことを。だからディストリビュータとの付き合い方が重要なのだ。やっと実感した。オバカBPは潰してしまいますよ。ひとたまりもないぞ。
 人のスケジュールをなんとも思ってない人間が多過ぎる。

 この会社ご自慢の顧客担当営業制は、確かに優秀な人間が担当営業職についてはいるのだが、顧客担当で回っている人間達は、そうではない部署の人間のスケジュール感も自分達と同じだと思い込んでいるところがある。つまり、自分達と一緒に仕事をしている人間は、自分達と同じスケジュール感=ヒマさ加減で仕事をしていると思っている。
 ところが我々のような製品担当は、出来る限り少ない人数でまわそうとしているから、一人一顧客なんて悠長なことはできないし、まして売り子だから案件がなければタッチしない。保守局面のお世話なんてしてられないのだ。モノが売れなきゃ自分の首が飛ぶのだから。なのに自分達と同じようにスケジュールがヒマだと思っているのが顧客担当営業。付き合いきれません。

 ところでこの会社はつまるところ将来見込みの節約時間と引き換えに一括して大金を払ってくれるお客様と付き合うのがポリシーなので、額の小さいソフトウェアなんてどうでもよくて、結局サービスで稼ぐ会社です。そのサービスも、数年前に一年通して「人月換算はおかしい」と時々繰り返し社長様がいろんな媒体で述べられていましたがオンデマンドの煽りSOAの煽りかか今はすっかりその主張も鳴りを潜めました。自分達のできなさ具合をリスクとして積み上げても商売の成り立つ甘い世界なんてITサービスだけですよ。判ってんの?最近ほとほと反吐が出るくらいイヤになってきた。

任せられない苦悩

2004年8月25日
 一体どういうふうに依頼すれば、リスクを減らすことができるのか?依頼していた成果物が、まったく出来てない状態だったことが今日明るみに出た。作成方法は一度プロトタイプを作成して実働していたので確立されているものと思っていたら、入り口のところから上手くいっていないという。

 入り口まで戻らなければならないとなると、依頼した相手が独力で問題解決できるものはないってことになるから、勢い労力が重複するし、僕の時間も奪われる。そんなこんなで2日間を棒に振ってしまった。

 もともと、イレギュラーな依頼で通してたから回避できないリスクだったと考えるべきか。正規の依頼なら、他の人をあてがうこともできたしな。自分の依頼の仕方が悪いのか。もっと詳細に手順を事前確認するべきだったのか。
 BP案件は、社内の案件管理システムに登録されないから困る。やりたくないのだ。

 案件管理システムに登録すれば、当然成約まで管理されるから、営業的には成約が見えるまで登録したくないもの。けれど案件支援を依頼される(我々製品担当技術を含め)いろんな関連部門は、やたらと支援依頼が来るので、古いわけのために、案件管理システムに登録されているかどうかを重視する。つまり「踏み絵」。

 ところがBP担当営業は、なんのかんのと言い訳をつけて案件管理システムに登録しないんだよねー。それでさんざん引っ張られて、結局ロスしました、とかBPが入札降りました、とか報告してくる。

 我々は、案件管理システムに登録されていない案件に対する支援業務は、業務としてほとんど認知されない。システムに登録されていて初めて、認められる業務になるのだ。

 こういうところを持ってしても、BP担当営業の仕事はやりたくないし、連中は潰すべきだ。よりよりBP協業を構築するために。古くからあるあの製品の既得権益にしがみつく連中を追い落として変えていくためには必要な犠牲。
 基本的な技術知識のないSEとはどう付き合っていけばいいのだ?

 自分自身、突然のステップアップや未経験のエリアへの転職を経験しているので、基礎的基本的な技術知識がないまま、そのエリアの経験者と会話し仕事をしなければならない局面を多く経験してきた。
 その中で身につけたのは、「自分の知っているその外側に自分の知らない別の世界があるかも知れない」と常に考える姿勢。
 「ここはこうなってるから間違いない」という近視眼では、もしかしたら別のコンポーネントが関係しているかも、という視点を見失う。

 ところがここしばらく一緒に仕事をしているSEはまったくそういう視点がない。基本的なスキルが足りていないにも関わらずだ。
 そしてそういう間違いを指摘されても、「知りませんでした」なんて言うこともない。うだうだうだうだ言い訳するか開き直るかするだけ。自分の思ってることやってることは手順書どおり間違いない、という、間違いを見つけようとする姿勢そのものの欠落が激しい。

 これがこの大企業のSEかよ。

 ウチは即戦力だけを使う方式なので、新人の教育なんかどこにもない。少し前から50歳前後は肩を叩き、新人はeラーニングで教育し、使えるやつはフィールドに放ち、というのを繰り返して早く戦力を増やすことを優先してきた。その結果、多くの新人が基本的なビジネススキルやビジネスセンス、姿勢を躾けられることのないままのうのうとオフィスに居座っている。
 人事考課は組織の強さを決定付ける要素。年功序列が年々廃れていき、大きくは成果主義へ移行しつつある中で、人事考課の透明性が鍵とされている。

 まあウチは、50歳過ぎればそれなりのポジションにない人間はガンガン肩を叩かれるので、年功序列こそ廃れていってるように見えるが、その実一度管理職に上がってしまえば部署から部署へ、新設したり併合したり「箱遊び」を繰り返して管理職を転々と出来るので、どんな人間性に問題のある管理職でも、海外部門まで出されて失敗して舞い戻ってきてもまた出戻り部署で偉そうに管理職が勤められたりする。

 それはともかく、透明性も確保できてなかったとは知らなかった。

 昇進試験は、受験資格は所属長の推薦ということで完全自由ではないにしろ、それ以外に受験自身に関係するものはないと思っていた。

 ところが、「単なる自由な意見交換の場」と案内されていた部門長との面談会のようなものに欠席しただけで、受験させられなくなってしまった。

 こういう、「自由な意見交換の場」とか言っておいて、結局裏でちゃんとカウントしてるっていう、なんとも古臭いイヤらしいやり方に反吐が出る。

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