古くて新しい業界問題が、ソフトウェアの不具合、いわゆる「バグ」対応の問題。ソフトウェアの不具合というのは、一般人の感覚からすると完成品としては不良品だから、無償で交換するなり修理するなりが当たり前なんじゃないの?と思うんだけど、まずこの修理について、年額いくらというメンテナンス料を頂戴することになっている。

 修理代を頂戴したり維持費を頂戴したりするのはいいとして、この会社の他の会社と大きく異なるのは、「そもそも欠陥品を出さないようにしよう」という品質改善志向が極めて薄いこと。

 品質改善運動とかお客様満足度向上運動とかはいろいろやってるけど、そもそも欠陥品問題を解消する活動はすべて「コスト」と考えているからどれもこれも成果が上がらない。

 
 そう、この会社において、お客様満足度を向上させる活動は「コスト」なのだ。

 ソフトウェア専業ベンダーは自社の製品がソフトウェアしかない訳だから、ソフトウェアに対するマーケットの評価がすなわち自社の評価に直結する。結果、欠陥品など出さないための仕組・活動は「コスト」と見なしていない。
 ところがこの会社はソフトウェア専業ではなく、売上で見れば桁の異なるボリュームの商品がある訳だから、ソフトウェアの品質を上げるためにお金を使うことは「コスト」としか見なさない。

 結果何がおきるかと言うと、「品質のような部分には会社はお金を使わないから」などと平気でいう管理職が現れる。

 結局、この会社はすべての事業において利益を出すことを大前提にしている会社だから、製品の完成度を高めるための事前テストなどの活動に対しては一切お金をかけない。とりあえず売ってしまって、お客様にお金を頂戴してから、そういう作業にお金をかける。つまり、お客様環境がテスト環境ということ。

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